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外国人が日本で不動産を購入する完全ガイド

国籍別・日本で不動産を購入する際の注意点

ブイ レ クアンブイ レ クアン公開日:2026年3月2日
国籍別・日本で不動産を購入する際の注意点

中国・アメリカ・韓国・ベトナム・フィリピンなど国籍別に、日本で不動産を購入する際の住宅ローン審査基準、必要書類、税務上の注意点を詳しく解説。外国人が知っておくべき国籍ごとの違いと事前準備のポイントをまとめました。

国籍別・日本で不動産を購入する際の注意点

日本は世界的に見ても、外国人の不動産購入に対して非常にオープンな国です。国籍や永住権の有無、ビザの種類に関係なく、誰でも土地や建物を自由に購入・所有できます。しかし、実際の購入手続きにおいては、出身国や国籍によって住宅ローンの審査基準、必要書類、税務上の取り扱いが異なるケースがあります。

この記事では、中国・アメリカ・韓国・ベトナム・フィリピンなど主要な国籍ごとの注意点を詳しく解説し、スムーズな不動産購入をサポートします。日本での不動産購入の全体的な流れを理解した上で、国籍別の具体的なポイントを確認しましょう。

日本の不動産購入における基本ルール:国籍による制限はない

まず大前提として、日本では外国人の不動産購入に国籍による制限がありません。これは世界的に見ても珍しい制度です。多くのアジア諸国(中国・タイ・インドネシアなど)では外国人の土地所有が制限されていますが、日本では以下の権利が保障されています。

  • 土地・建物の完全所有権を取得可能
  • 所有期間に制限なし(永久所有が可能)
  • 日本に居住していなくても購入可能
  • 法人名義での購入も可能

ただし、外国為替法(FEFTA)に基づき、非居住者が不動産を取得した場合は取得日から20日以内に日本銀行経由で財務省へ届出する義務があります。また、自衛隊基地や原発周辺の重要土地については、「重要土地等調査法」に基づく利用目的の届出や調査が必要です。

さらに、2026年度からは不動産登記時に国籍の申告が義務化される予定です(Japan Times)。これは購入の制限ではなく、情報管理を目的とした制度変更です。

国籍別:住宅ローンの審査と利用条件の違い

外国人が日本で不動産を購入する際、最も国籍の影響を受けるのが住宅ローンの審査です。以下の表で国籍ごとの違いを整理します。

国籍永住権あり永住権なし信用情報照会利用しやすい銀行
アメリカ◎ ほぼ全行で利用可○ 比較的通りやすい可能(国外公表OK)メガバンク、新生銀行、SMBC信託
イギリス・カナダ◎ ほぼ全行で利用可○ 比較的通りやすい可能(国外公表OK)メガバンク、新生銀行、SMBC信託
中国◎ ほぼ全行で利用可△ 審査厳しめ不可(国外公表NG)中国銀行、交通銀行、新生銀行
韓国◎ ほぼ全行で利用可△ 審査厳しめ不可(国外公表NG)新生銀行、スルガ銀行
ベトナム・フィリピン◎ ほぼ全行で利用可△ 審査厳しめ不可新生銀行、スルガ銀行
その他○ 多くの銀行で利用可△〜× 限定的国によるSMBC信託(プレスティア)

ポイント: アメリカ・イギリス・カナダ国籍の方は、母国の信用情報を日本の金融機関が照会できるため、永住権がなくても住宅ローンが比較的通りやすい傾向があります。一方、中国・韓国・東南アジア諸国の方は信用情報の国外公表ができないため、より多くの自己資金や追加の保証が求められることがあります。

詳しくは外国人向け住宅ローン完全ガイドをご覧ください。

アメリカ人・欧米出身者が知っておくべき注意点

アメリカやヨーロッパ出身の方が日本で不動産を購入する際の主な注意点は以下の通りです。

住宅ローンの優位性

米国・英国・カナダ国籍者は信用情報の国際照会が可能なため、永住権がなくてもローンが組みやすいです。SBI新生銀行やSMBC信託銀行(プレスティア)が外国人向けの住宅ローンを積極的に提供しています。

二重課税に注意

アメリカは世界中の所得に課税する「市民権ベースの課税」を採用しています。日本で不動産を購入・売却した場合、日米両国で確定申告が必要です。ただし、二重課税防止条約により税額控除が適用されるため、二重に税金を払う必要はありません。

FATCA(外国口座税務コンプライアンス法)

米国市民は日本の金融機関で口座を開設する際にFATCA関連の追加書類が求められることがあります。住宅ローンの手続きでも同様です。

中国人が日本で不動産を購入する際の注意点

中国人は日本での不動産購入者の中で最も多い外国人グループの一つです。

海外送金の制限

中国では外貨管理局(SAFE)による年間5万ドルの外貨送金制限があります。高額物件の購入資金を日本に送金する際は、計画的な資金移動が必要です。海外送金と頭金の準備で詳しく解説しています。

住宅ローンの選択肢

永住権がない場合、一般的な日本のメガバンクでの審査は厳しくなります。しかし、中国銀行(日本支店)や交通銀行が外国人向け住宅ローンを提供しており、中国語での対応も可能です。

必要書類の特殊性

中国国内の公証処で発行された公証書や、中国の身分証明書の翻訳が必要になる場合があります。不動産契約と必要書類も確認してください。

本国での不動産との関係

中国の不動産は土地使用権(70年間)のみで所有権はありませんが、日本では完全な所有権が得られます。この違いを理解した上で投資判断をすることが重要です。

韓国人が日本で不動産を購入する際の注意点

韓国と日本は地理的に近く、文化的な類似点も多いため、不動産購入を検討する韓国人も増えています。

在日韓国人(特別永住者)の場合

特別永住者の在留資格をお持ちの方は、住宅ローンの審査において日本国籍者とほぼ同等の扱いを受けられます。在留カードや特別永住者証明書が身分証明として使用できます。

韓国からの投資目的の場合

韓国は日本の不動産に対する投資需要が高まっています。特に大阪・関西東京の物件が人気です。非居住者として購入する場合、外為法に基づく届出を忘れずに行いましょう。

税務上の注意点

韓日租税条約(二重課税防止条約)が適用されます。不動産所得や譲渡所得は原則として日本で課税されますが、韓国での申告も必要です。

ベトナム人・フィリピン人など東南アジア出身者の注意点

近年、日本に在住するベトナム人やフィリピン人の数は急増しており、不動産購入を検討する方も増えています。

在留資格の安定性が重要

技能実習や特定技能ビザで来日している場合、在留期間が限定的なため住宅ローンの審査で不利になることがあります。在留資格・ビザと不動産購入の関係を事前に理解しておきましょう。

永住権取得の計画

永住権と住宅購入は密接に関連しています。永住権を取得すればほぼ全ての金融機関で住宅ローンが利用可能になるため、永住権の取得を並行して進めることをおすすめします。

頭金の確保

永住権がない場合、物件価格の20〜30%の頭金が求められることが一般的です。住宅ローンの頭金について事前に計画しましょう。

母国への送金との兼ね合い

東南アジアから日本への出稼ぎの方は、母国への仕送りがある場合、住宅ローンの返済比率の計算に影響します。無理のない資金計画を立てることが大切です。

不動産購入に共通する手続きと必要書類

国籍に関わらず、以下の書類・手続きが共通して必要です(全日本不動産協会)。

日本在住の場合:

  • 在留カードまたは特別永住者証明書
  • 住民票(日本語)
  • 印鑑証明書(実印の登録が必要)
  • 収入証明書(源泉徴収票など)

海外在住の場合:

  • パスポートの写し
  • 宣誓供述書(公証人による認証)※2024年4月から居住国の公証人も認められるようになりました
  • 国内連絡先の届出(2024年4月の法改正で義務化)
  • 委任状(代理人を通じて購入する場合)

不動産登記制度についても事前に理解しておくと手続きがスムーズです。

国籍別の税務上の注意点まとめ

不動産購入後の税金についても、国籍や居住地によって取り扱いが異なります(PLAZA HOMES)。

税金の種類居住者(日本在住)非居住者(海外在住)
不動産取得税課税あり(軽減措置あり)課税あり(軽減措置あり)
固定資産税毎年課税毎年課税(納税管理人が必要)
売却時の譲渡所得税通常税率買主が10.21%を源泉徴収
住宅ローン控除適用可能適用不可
相続税全世界財産に課税日本国内財産のみ課税

詳しくは不動産にかかる税金ガイド外国人の確定申告と不動産所得を参照してください。

まとめ:国籍に関わらず計画的な準備が成功の鍵

日本では国籍による不動産購入の法的制限はありませんが、住宅ローンの審査基準、必要書類、税務上の扱いは国籍や居住状況によって異なります。特に以下の3点を事前に確認しておくことが重要です。

  1. 住宅ローンの利用可能性 — 自分の国籍・在留資格で利用できる金融機関を早めにリサーチする
  2. 必要書類の準備 — 母国での書類取得に時間がかかる場合があるため、余裕をもって準備する
  3. 税務上の影響 — 二重課税防止条約の有無や確定申告の必要性を確認する

信頼できる不動産会社・仲介業者を選び、必要に応じて通訳や税理士のサポートを受けることで、どの国籍の方でも安心して日本の不動産を購入することができます。


参考リンク:

ブイ レ クアン
ブイ レ クアン

ベトナム出身、来日16年以上。名古屋大学卒業後、日本企業・外資系企業で11年の実務経験。外国人の日本不動産購入情報を発信。

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