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永住権と住宅購入

永住権と住宅ローン控除の適用

ブイ レ クアンブイ レ クアン公開日:2026年3月2日
永住権と住宅ローン控除の適用

外国人が日本で住宅ローン控除(住宅ローン減税)を受けるための適用条件、永住権との関係、確定申告の手続き方法を詳しく解説。控除額のシミュレーションや2024年以降の制度改正ポイントも網羅した完全ガイドです。

永住権と住宅ローン控除の適用|外国人が知っておくべき税制優遇の全知識

日本で住宅を購入する外国人にとって、住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)は非常に大きな節税メリットをもたらす制度です。年末のローン残高に対して0.7%が所得税から控除され、最大13年間にわたって減税を受けることができます。しかし、「永住権がないと控除を受けられないのでは?」「外国人でも本当に適用されるのか?」といった疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。

この記事では、永住権と住宅購入の関係を踏まえながら、住宅ローン控除の適用条件、確定申告の手続き方法、そして外国人が特に注意すべきポイントを詳しく解説します。

住宅ローン控除とは?基本的な仕組みを理解しよう

住宅ローン控除(住宅ローン減税)は、住宅ローンを利用してマイホームを取得した場合に、所得税や住民税の一部が還付される制度です。正式名称は「住宅借入金等特別控除」といい、国土交通省が管轄しています。

控除額の計算方法

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控除額は、年末時点での住宅ローン残高に対して0.7%が適用されます。例えば、年末のローン残高が3,000万円の場合、21万円が所得税から控除されます。所得税から引ききれない分は、翌年の住民税からも一部控除されます(上限あり)。

控除期間

住宅の種類控除期間借入限度額(2024年入居)最大控除額(年間)
認定長期優良住宅13年間4,500万円31.5万円
ZEH水準省エネ住宅13年間3,500万円24.5万円
省エネ基準適合住宅13年間3,000万円21万円
その他の新築住宅13年間2,000万円(※)14万円
中古住宅(認定住宅等)10年間3,000万円21万円
その他の中古住宅10年間2,000万円14万円

※2024年以降に建築確認を受けた新築住宅は、省エネ基準への適合が原則として必要です。

外国人でも住宅ローン控除は受けられるのか?

結論から言えば、外国人であっても日本の税法上の「居住者」であれば、住宅ローン控除を受けることができます国籍や在留期間に関係なく、以下の条件を満たしていれば適用対象となります。

税法上の「居住者」とは

日本の所得税法では、居住者を以下のように定義しています。

  • 居住者:日本国内に住所を有するか、現在まで引き続き1年以上居所を有する個人
  • 非永住者:居住者のうち、日本国籍を持たず、過去10年間で日本に住所・居所を有する期間が5年以下の個人
  • 永住者(税法上):居住者のうち、非永住者以外の個人
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重要なのは、税法上の「永住者」と在留資格の「永住権」は別の概念だということです。在留資格として永住権を持っていなくても、税法上の居住者であれば住宅ローン控除の対象になります。

永住権の有無と住宅ローン控除の関係

状況住宅ローン控除住宅ローン審査
永住権あり適用可能日本人と同等の条件
永住権なし(居住者)適用可能金融機関が限られる
非居住者適用不可原則として不可

つまり、外国人向け住宅ローンを組む際に永住権の有無が問題になるのは、主に金融機関の審査基準においてであり、税制上の控除適用とは直接関係ありません。

住宅ローン控除の適用条件を詳しく確認

住宅ローン控除を受けるためには、以下の条件をすべて満たす必要があります。外国人も日本人も条件は同じです。

入居に関する条件

  1. 住宅取得後6か月以内に入居すること
  2. 控除を受ける年の12月31日時点で引き続き居住していること
  3. 合計所得金額が2,000万円以下であること(2022年改正で3,000万円から引き下げ)

住宅に関する条件

  1. 床面積が50平方メートル以上であること(一部40平方メートル以上の特例あり)
  2. 床面積の2分の1以上が居住用であること
  3. 中古住宅の場合、1982年以降に建築されたもの(新耐震基準適合)

ローンに関する条件

  1. 返済期間が10年以上であること
  2. 金融機関等からの借入であること(親族からの借入は不可)
  3. 住宅ローンの金利タイプは固定・変動いずれも対象

これらの条件は、日本の不動産購入手続きを進める中で、事前に確認しておくことが重要です。

確定申告の手続き方法|初年度と2年目以降の違い

住宅ローン控除を受けるためには、確定申告の手続きが必要です。特に初年度は必ず確定申告を行わなければなりません。

初年度(入居した年の翌年2月16日〜3月15日)

初年度は以下の書類を準備して、税務署に確定申告書を提出します。

必要書類一覧:

書類名取得先
確定申告書(A様式またはB様式)税務署・国税庁ウェブサイト
住宅借入金等特別控除額の計算明細書税務署・国税庁ウェブサイト
住宅ローンの年末残高証明書金融機関
登記事項証明書(建物・土地)法務局
売買契約書または工事請負契約書のコピー不動産会社・建設会社
住民票の写し市区町村役場
源泉徴収票(給与所得者の場合)勤務先
マイナンバーカードまたは通知カード

外国人の場合、追加で以下が必要になることがあります。

  • 在留カードのコピー
  • パスポートのコピー(税務署によっては求められる場合あり)

2年目以降(年末調整での手続き)

給与所得者の場合、2年目以降は勤務先の年末調整で住宅ローン控除を受けることができます。初年度の確定申告後に税務署から送られてくる「住宅借入金等特別控除申告書」と、金融機関から届く「年末残高証明書」を勤務先に提出するだけです。

外国人が確定申告で注意すべきポイント

  1. 言語の問題:確定申告書は日本語のみですが、国税庁の確定申告書作成コーナーで画面に従って入力すれば比較的簡単に作成できます
  2. マイナンバー:外国人居住者にもマイナンバーが付与されており、申告時に必要です
  3. 税理士への相談:日本語での手続きに不安がある場合は、外国人対応の税理士に相談することをおすすめします

永住権取得前後で変わる住宅ローン控除のメリット

永住権の取得は、住宅ローン控除そのものの適用には直接影響しませんが、間接的に大きなメリットをもたらします。

永住権取得により広がる選択肢

永住権を取得することで、以下のような恩恵があります。

  1. 住宅ローンの選択肢が大幅に増加:大手銀行やネット銀行など、より有利な条件のローンを選べるようになる
  2. 金利の優遇:永住権保有者は金融機関から信用度が高いと判断され、より低い金利を提示されることがある
  3. 借入額の増加:永住権があることで、より高額の借入が可能になる場合がある
  4. 控除額の最大化:より良い条件のローンを組めることで、結果的に控除額も大きくなる可能性がある

永住権なしでも控除を受ける方法

永住権がなくても住宅ローン控除を受けることは可能ですが、ローンを組む段階で選択肢が限られます。

  • 配偶者の活用:日本人配偶者や永住権を持つ配偶者が連帯保証人になることで、住宅ローンの審査に通りやすくなる
  • フラット35の活用住宅金融支援機構のフラット35は、永住権がなくても利用できる場合がある
  • 外資系銀行の活用:一部の外資系銀行は永住権なしでもローンを提供している

住宅ローン控除で気をつけるべき落とし穴

外国人が住宅ローン控除を利用する際に、特に注意すべきポイントがいくつかあります。

帰国・転勤時の取り扱い

海外赴任や帰国により日本の非居住者になった場合、原則として住宅ローン控除は適用停止となります。ただし、2016年4月1日以降の入居者については、帰国後に再び居住を始めた場合、残りの控除期間について再適用を受けることが可能です。

所得制限に注意

合計所得金額が2,000万円を超える年は、その年の住宅ローン控除は受けられません。ただし、翌年以降に所得が2,000万円以下に戻れば、再び控除を受けることができます。

住宅の転用に注意

居住用から賃貸用に転用した場合、住宅ローン控除は適用されなくなります。賃貸経営を検討する場合は、控除期間中は注意が必要です。

繰上返済による控除額の減少

住宅ローンの繰上返済を行うと、ローン残高が減少するため、控除額も減少します。返済期間が10年未満になると控除の対象外となるため、繰上返済のタイミングは慎重に検討しましょう。

住宅ローン控除のシミュレーション

具体的にどれくらいの節税効果があるのか、資金計画を立てる際の参考としてシミュレーションを見てみましょう。

モデルケース:3,000万円のマンション購入

項目条件
物件価格3,000万円(省エネ基準適合住宅)
頭金300万円
借入額2,700万円
金利年1.5%(固定金利)
返済期間35年
控除期間13年間

この条件での概算控除額は以下の通りです。

  • 1年目:約18.9万円(年末残高 約2,700万円 × 0.7%)
  • 5年目:約17.4万円(年末残高 約2,490万円 × 0.7%)
  • 10年目:約15.4万円(年末残高 約2,200万円 × 0.7%)
  • 13年間合計:約220万円の節税効果

ただし、実際の控除額は所得税額が上限となるため、納税額によっては満額の控除を受けられない場合もあります。

2024年以降の制度改正ポイント

住宅ローン控除制度は定期的に改正されています。最新の不動産市場トレンドと合わせて、制度改正のポイントを把握しておきましょう。

主な改正内容

  1. 省エネ基準の義務化:2024年以降に建築確認を受けた新築住宅は、省エネ基準に適合していることが住宅ローン控除の条件に追加されました
  2. 借入限度額の段階的引き下げ:認定住宅以外の新築住宅では、借入限度額が段階的に引き下げられています
  3. 所得要件の引き下げ:合計所得金額の上限が3,000万円から2,000万円に引き下げられました
  4. 床面積の特例:一定の要件を満たす場合、40平方メートル以上の住宅でも控除対象に

今後の見通し

住宅ローン控除制度は、住宅市場の動向や税制改正の議論により、今後も変更される可能性があります。不動産購入を検討している場合は、最新の情報を確認することが重要です。

まとめ:永住権と住宅ローン控除を最大限に活用するために

住宅ローン控除は、外国人であっても日本の税法上の居住者であれば適用される税制優遇制度です。永住権の有無は控除の適用自体には影響しませんが、住宅ローンの選択肢を広げることで間接的に控除メリットを最大化できます。

外国人が住宅ローン控除を活用するためのステップ:

  1. 在留資格の確認自分のビザ・在留資格で住宅購入が可能か確認
  2. 住宅ローンの比較:永住権の有無に応じて利用可能な金融機関を比較
  3. 物件の省エネ基準確認:2024年以降は省エネ基準適合が必要
  4. 確定申告の準備:初年度は必ず確定申告が必要。必要書類を早めに準備
  5. 税理士への相談:複雑な税務処理は専門家に相談

日本での不動産購入は大きな決断ですが、住宅ローン控除を正しく活用すれば、数百万円規模の節税が可能です。不動産にかかる税金の全体像を把握した上で、計画的に住宅購入を進めましょう。

ブイ レ クアン
ブイ レ クアン

ベトナム出身、来日16年以上。名古屋大学卒業後、日本企業・外資系企業で11年の実務経験。外国人の日本不動産購入情報を発信。

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