非居住者が日本の不動産を購入する方法

日本の不動産市場は、海外からの投資家や将来の移住を考える外国人にとって魅力的な選択肢です。実は、**日本では国籍や居住地に関係なく、誰でも不動産を購入できる**という大きなメリットがあります。しかし、非居住者が日本の不動産を購入するには、居住者とは異なる手続きや書類が必要になります。
非居住者が日本の不動産を購入する方法|手続き・必要書類・税金を徹底解説
日本の不動産市場は、海外からの投資家や将来の移住を考える外国人にとって魅力的な選択肢です。実は、日本では国籍や居住地に関係なく、誰でも不動産を購入できるという大きなメリットがあります。しかし、非居住者が日本の不動産を購入するには、居住者とは異なる手続きや書類が必要になります。
この記事では、日本に住んでいない外国人(非居住者)が日本の不動産を購入するための具体的な方法、必要な書類、税金の注意点、そしてよくある疑問について詳しく解説します。外国人が日本で不動産を購入する完全ガイドと合わせてお読みください。
非居住者でも日本の不動産は購入できる?法的な制限は?
結論から言えば、非居住者でも日本の不動産を自由に購入できます。日本の法律では、外国人の不動産所有に対する制限はほとんどなく、日本国籍を持たない方でも土地・建物の両方を完全な所有権(フリーホールド)で取得できます。
これは世界的に見ても珍しく、多くの国では外国人の不動産取得に制限を設けています。例えば、タイでは外国人が土地を所有できず、オーストラリアでは外国人投資審査委員会(FIRB)の承認が必要です。日本にはこのような制限がないため、非居住者にとっても参入しやすい市場と言えます。
ただし、2022年に施行された「重要土地利用規制法」により、自衛隊基地周辺などの安全保障上重要な地域では、土地の利用状況の調査が行われる場合があります。一般的な住宅用不動産の購入には影響しません。
非居住者の不動産購入手続きの流れ
非居住者が日本の不動産を購入する場合、以下の流れで手続きが進みます。
ステップ1:物件探しと不動産会社の選定
まず、信頼できる不動産会社・仲介業者の選び方が重要です。非居住者の場合、外国語対応ができる不動産会社を選ぶことをおすすめします。オンラインでの物件検索も可能で、物件探しの方法と選び方を参考にしてください。
ステップ2:買付申し込み
気に入った物件が見つかったら、不動産会社を通じて「買付申込書(購入申込書)」を提出します。これは法的拘束力のない意思表示ですが、交渉の起点となります。
ステップ3:重要事項説明と売買契約
2021年のデジタル改革関連法により、IT重説(オンラインでの重要事項説明)が可能になりました。これにより、日本に来なくてもビデオ通話で契約手続きができるようになっています。
売買契約時には、手付金として物件価格の5〜10%を支払います。
ステップ4:残代金決済と所有権移転登記
残代金を支払い、司法書士が所有権移転登記を申請します。非居住者の場合、不動産契約と必要書類で詳しく解説している通り、代理人を立てることが一般的です。
ステップ5:外為法に基づく報告
非居住者は、不動産取得後20日以内に財務大臣への報告が必要です(居住用目的での取得は免除)。
| 手続きステップ | 内容 | 非居住者の注意点 |
|---|---|---|
| 物件探し | オンライン検索・不動産会社への相談 | 外国語対応の会社を選ぶ |
| 買付申し込み | 購入意思の表示 | FAX・メールでも可能 |
| 重要事項説明 | 物件の法的情報の確認 | IT重説(オンライン)が利用可能 |
| 売買契約 | 手付金(5〜10%)の支払い | 代理人による署名が可能 |
| 残代金決済 | 残金支払い・所有権移転 | 海外送金の手続きが必要 |
| 外為法報告 | 財務大臣への報告 | 取得後20日以内(居住用は免除) |
非居住者に必要な書類と代替手続き
日本に住民登録がない非居住者は、住民票や印鑑証明書を取得できないため、以下の代替書類が必要になります。
宣誓供述書(Affidavit)
最も重要な書類が宣誓供述書です。これは、住所・氏名・署名などを公的に証明する書類で、以下の場所で作成できます。
- 居住国の公証役場(ノータリーパブリック)
- 在外日本大使館・領事館
- 居住国の日本領事館での認証
宣誓供述書には、氏名、生年月日、国籍、現住所、不動産取得の目的などを記載します。
その他の必要書類
- パスポートの公証コピー(認証済みのもの)
- 委任状(代理人に手続きを委任する場合)
- 納税管理人届出書(税務申告を代行してもらうため)
- 外為法に基づく報告書(投資目的の場合)
不動産契約と必要書類のページでは、各書類のテンプレートや取得方法をさらに詳しく解説しています。
非居住者の資金調達|住宅ローンは組めるのか?
非居住者にとって最大のハードルの一つが資金調達です。原則として、日本の銀行は非居住者への住宅ローン提供を行っていません。しかし、いくつかの選択肢があります。
日本の銀行の限定的なプログラム
一部の銀行では、条件付きで非居住者向けのローンを提供しています。
| 銀行名 | 対象者 | 金利目安 | LTV(融資比率) |
|---|---|---|---|
| 新生銀行 | 海外在住日本人・永住者 | 3〜5% | 50〜70% |
| 東京スター銀行 | 一部の外国人投資家 | 3〜5% | 50〜60% |
| SMBC信託銀行 | プレスティア口座保有者 | 変動 | 要相談 |
その他の資金調達方法
- 母国の銀行での融資:自国の不動産や資産を担保に借り入れる
- 全額現金購入:多くの非居住者投資家はこの方法を選択
- プライベートバンキング:高額資産保有者向けのサービス
外国人向け住宅ローン完全ガイドでは、ローン審査の詳細や申請のコツをまとめています。
非居住者が知っておくべき税金と費用
不動産取得時にかかる費用は、物件価格の6〜8%が目安です。主な税金と費用は以下の通りです。
購入時にかかる税金
| 税金・費用 | 税率・金額 |
|---|---|
| 不動産取得税 | 固定資産税評価額の3〜4% |
| 登録免許税 | 固定資産税評価額の1.5〜2% |
| 印紙税 | 契約金額により1万〜6万円 |
| 仲介手数料 | 物件価格の3%+6万円+消費税 |
| 司法書士費用 | 10〜30万円 |
保有時にかかる税金
- 固定資産税:固定資産税評価額の1.4%(毎年)
- 都市計画税:固定資産税評価額の0.3%(毎年)
売却時の注意点
非居住者が不動産を売却する場合、買主は売却代金の10.21%を源泉徴収する義務があります(売却代金1億円以下で個人の居住用購入の場合は免除)。
また、譲渡所得税は所有期間により異なります。
- 短期譲渡所得(5年以下):39.63%
- 長期譲渡所得(5年超):20.315%
不動産にかかる税金ガイドで、節税対策も含めた詳細をご確認ください。
納税管理人の選任が必須
非居住者が日本に不動産を所有する場合、納税管理人の選任が必須です。納税管理人とは、所有者に代わって税務申告や納税手続きを行う日本国内の居住者です。
納税管理人の役割
- 固定資産税・都市計画税の支払い
- 確定申告の代理
- 税務署からの通知の受領
- 不動産売却時の源泉徴収に関する手続き
納税管理人には、税理士、弁護士、信頼できる日本在住の知人などを選任できます。選任後は所轄の税務署に「納税管理人届出書」を提出します。
リモートで購入する場合の実践的なアドバイス
近年のデジタル化により、日本に一度も来ることなく不動産を購入することが技術的に可能になりました。以下は、リモート購入を成功させるためのポイントです。
IT重説の活用
2021年から全面解禁されたIT重説(オンライン重要事項説明)を活用すれば、宅地建物取引士による重要事項説明をビデオ通話で受けられます。
代理人の選定
来日できない場合は、以下の代理人を選任することをおすすめします。
- 売買契約代理人:契約書への署名を代行
- 残代金決済代理人:決済手続きを代行
- 納税管理人:税務関連の手続きを代行
海外送金の準備
購入資金の海外送金には時間がかかる場合があります。事前に銀行と相談し、必要な書類(送金目的の証明など)を準備しておきましょう。資金計画と頭金の準備も参考にしてください。
よくある質問(FAQ)
Q:非居住者が不動産を購入するとビザは取得できますか?
不動産の購入だけでは日本のビザ(在留資格)は取得できません。ビザの取得には別途要件を満たす必要があります。詳しくは在留資格・ビザと不動産購入をご覧ください。
Q:法人名義での購入は可能ですか?
はい、日本に法人を設立するか、海外法人の日本支店を登記することで法人名義での購入も可能です。投資目的の場合は法人名義の方が税制上有利な場合があります。
Q:物件の管理はどうすればよいですか?
非居住者の場合、物件管理とメンテナンスを専門の管理会社に委託するのが一般的です。賃貸に出す場合は賃貸経営と民泊ビジネスもご参考ください。
まとめ
非居住者が日本の不動産を購入することは法的に問題なく、手続きの流れを理解すればスムーズに進めることができます。重要なポイントをまとめると以下の通りです。
- 法的制限はほぼなし:国籍・居住地に関わらず購入可能
- 宣誓供述書が必須:住民票の代替として公証済みの書類が必要
- 外為法の報告義務:投資目的の場合は取得後20日以内に報告
- 住宅ローンは困難:現金購入か母国での融資を検討
- 納税管理人の選任:日本国内に税務代行者が必要
- リモート購入が可能:IT重説や代理人制度の活用
日本の不動産市場は透明性が高く、外国人にもオープンな環境です。適切な専門家のサポートを受けながら、ぜひ日本での不動産取得を実現してください。
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