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中古物件とリノベーション

間取り変更リノベーションの可能性と制限

ブイ レ クアンブイ レ クアン公開日:2026年3月2日
間取り変更リノベーションの可能性と制限

日本のマンション・戸建ての間取り変更リノベーションで「できること」と「できないこと」を徹底解説。ラーメン構造と壁式構造の違い、費用相場、管理規約の制限、外国人が注意すべきポイントまで網羅した完全ガイドです。

間取り変更リノベーションの可能性と制限:外国人が日本で知るべきポイント

日本で中古物件を購入し、自分好みの住まいに変えたいと考える外国人にとって、間取り変更リノベーションは非常に魅力的な選択肢です。しかし、日本のマンションや戸建てには構造上・法規上の制限があり、すべての変更が自由にできるわけではありません。

この記事では、中古物件とリノベーションを検討している外国人向けに、間取り変更リノベーションで「できること」と「できないこと」を詳しく解説します。費用相場や注意点、成功のポイントまで網羅しているので、リノベーション計画の参考にしてください。

間取り変更リノベーションとは?基本を理解しよう

間取り変更リノベーションとは、既存の住宅の壁や仕切りを撤去・移動し、部屋の配置や広さを変更する工事のことです。たとえば、2つの小さな部屋を1つの大きなリビングに統合したり、オープンキッチンに変更したりすることが代表的な例です。

日本では「リフォーム」と「リノベーション」は似て非なるものとされています。リフォームは原状回復に近い修繕工事を指し、リノベーションはより大規模な改修で住まいの機能や価値を向上させることを意味します。間取り変更は通常、リノベーションの範疇に入ります。

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外国人が日本で物件を購入する際、間取りの読み方を理解することが第一歩です。日本独特の「1LDK」「3DK」といった表記を把握した上で、どのような変更が可能かを検討しましょう。

マンションの構造タイプ別:間取り変更の自由度

マンションの間取り変更の可能性は、建物の構造によって大きく異なります。購入前に構造タイプを確認することが最も重要なポイントです。

!マンションの構造タイプ別:間取り変更の自由度 - illustration for 間取り変更リノベーションの可能性と制限

ラーメン構造(柱・梁で支える構造)

ラーメン構造は柱と梁で建物を支える構造で、室内の壁のほとんどが「間仕切り壁」(構造上不要な壁)です。そのため、間取り変更の自由度が非常に高く、壁を撤去して大空間を作ったり、新しい壁を設置して部屋を増やしたりすることが比較的容易にできます。

中・高層マンションの多くはラーメン構造を採用しており、リノベーション向きの物件が見つかりやすい傾向にあります。

壁式構造(壁で支える構造)

壁式構造は壁面で建物全体を支える構造で、耐力壁(構造壁)の撤去はできません。ただし、すべての壁が耐力壁というわけではなく、間仕切り壁も存在するため、ある程度の間取り変更は可能です。

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5階建て以下の低層マンションに多く採用されている構造で、築年数と耐震基準も考慮しながら物件を選ぶ必要があります。

比較項目ラーメン構造壁式構造
建物を支える要素柱と梁壁(面)
間取り変更の自由度高い制限あり
耐力壁の有無少ない多い
多い階数中・高層(6階以上)低層(5階以下)
リノベーション費用比較的安いやや高い
室内の柱の出っ張りありなし
遮音性普通高い

間取り変更でできること:具体的な工事内容

間取り変更リノベーションで実現可能な代表的な工事内容を紹介します。

!間取り変更でできること:具体的な工事内容 - illustration for 間取り変更リノベーションの可能性と制限

壁の撤去・統合

最も一般的な間取り変更は、間仕切り壁を撤去して複数の部屋を一つにまとめることです。たとえば、リビングと隣接する和室の壁を撤去して広いLDKにしたり、子ども部屋を2つに分割したりできます。間仕切り壁の撤去は1か所あたり10〜25万円程度が相場です(参考:SUUMO リフォームタイムズ)。

キッチンのレイアウト変更

壁付きキッチンを対面式やアイランド型に変更することも人気のリノベーションです。ただし、給排水管の移動を伴うため、配管ルートの確認が必要になります。キッチンの移動は100〜300万円程度かかることが多いです。

水回りの移動

トイレや浴室の位置を変更することも技術的には可能ですが、配管の勾配(排水が流れるための傾斜)を確保する必要があり、移動距離に制限があります。特にマンションでは床下の空間(ふところ)が限られているため、大幅な移動は困難な場合があります。

収納スペースの最適化

ウォークインクローゼットの新設や、パントリー(食品庫)の追加など、収納計画の見直しも間取り変更の一環として人気です。これらは比較的制約が少なく、実現しやすい変更といえます。

和室から洋室への変更

日本の中古物件には和室が含まれていることが多いですが、畳をフローリングに変更し、押入れをクローゼットに改装するリノベーションは非常にポピュラーです。費用は6畳の和室で25〜100万円が目安です。

間取り変更の制限:できないこと・注意が必要なこと

間取り変更には様々な制限があります。事前に把握しておくことで、無駄なコストや期待外れを防ぐことができます。

!間取り変更の制限:できないこと・注意が必要なこと - illustration for 間取り変更リノベーションの可能性と制限

構造上の制限

前述の通り、耐力壁は絶対に撤去できません。壁式構造のマンションでは特に注意が必要です。また、ラーメン構造であっても柱や梁は移動できないため、間取りの自由度には一定の制約があります。

建築基準法により、建物の構造安全性を損なう改修は許可されません。リノベーション前には必ず構造図面を確認しましょう(参考:LIFULL HOME'S)。

パイプスペース(PS)の制約

パイプスペースは上下階を貫通する配管が通る空間で、移動は一切できません。マンションでは1階から最上階まで縦の管でつながっているため、この位置を基準に水回りの配置を考える必要があります。

管理規約による制限

マンションの場合、管理組合の規約によってリノベーションの範囲が制限されることがあります。代表的な制限には以下のものがあります:

  • フローリングの遮音等級の指定(例:L-45以上の遮音材使用が必須)
  • 水回り位置の変更禁止(階下への騒音・漏水リスクのため)
  • 工事時間帯の制限(平日9時〜17時のみなど)
  • 工事届出書の提出義務と管理組合の承認が必要

リノベーション前には必ず管理組合と修繕積立金の状況を確認し、工事規約を入手しましょう。

共用部分の変更不可

マンションの「専有部分」(室内)はリノベーション可能ですが、「共用部分」は変更できません。共用部分には以下が含まれます:

  • 窓ガラス・サッシ
  • 玄関ドアの外側
  • バルコニー
  • 外壁・構造躯体
  • 共用廊下に面する配管

高層階特有の制限

11階以上の居室では消防法によりスプリンクラーの設置が義務づけられており、間取り変更によってスプリンクラーの配置が適切でなくなる場合、追加設置や再配置が必要になることがあります。

間取り変更リノベーションの費用相場

間取り変更リノベーションの費用は工事内容や物件の状態によって大きく異なります。以下に代表的な工事の費用相場をまとめました。

工事内容費用相場工期目安
間仕切り壁の撤去(1か所)10〜25万円1〜3日
間仕切り壁の新設(1か所)15〜50万円2〜5日
キッチンの移動・レイアウト変更100〜300万円2〜4週間
トイレの移動30〜60万円3〜7日
浴室の移動・リニューアル80〜200万円1〜3週間
和室→洋室変更(6畳)25〜100万円1〜2週間
フルリノベーション(70㎡)500〜1,200万円2〜4か月

※上記は目安であり、物件の状態や地域、施工会社によって異なります。築年数が古い物件では、配管の腐食や断熱材の劣化が見つかるケースが多く、追加費用が発生する可能性があります。

資金計画と頭金の準備をしっかり行い、余裕を持った予算を組むことをおすすめします。複数のリフォーム会社から相見積もりを取ることで、適正な費用を把握できます(参考:リショップナビ)。

外国人がリノベーションする際の特有の注意点

日本では外国人も日本人と同じ条件で物件の購入やリノベーションが可能です。ただし、外国人ならではの注意点がいくつかあります。

言語の壁

リノベーション会社との打ち合わせは日本語で行われることがほとんどです。設計図面や見積書も日本語で作成されるため、専門用語の理解が必要です。外国人対応の実績があるリノベーション会社を選ぶか、通訳のサポートを受けることをおすすめします(参考:PLAZA HOMES)。不動産会社・仲介業者の選び方も参考にしてください。

住宅ローンとリノベーション費用

中古物件購入とリノベーション費用を一体にした住宅ローン(リノベーションローン)を利用できる場合があります。外国人向け住宅ローンを提供している金融機関では、リノベーション費用も含めた融資に対応しているところもあります。

在留資格の確認

長期的なリノベーションプロジェクトを計画する場合、在留資格・ビザの残存期間も考慮に入れましょう。工事期間中の仮住まいの手配も必要です。

施工品質の確認

リノベーション完了後は、物件管理とメンテナンスの観点から、定期的な点検を行いましょう。特に水回りの変更を行った場合は、漏水がないか初期段階でしっかり確認することが重要です。

間取り変更リノベーション成功のポイント

間取り変更リノベーションを成功させるために、以下のポイントを押さえておきましょう。

!間取り変更リノベーション成功のポイント - illustration for 間取り変更リノベーションの可能性と制限

1. 物件選びの段階から構造を確認する

リノベーション前提で物件を探す場合、内見時のチェックポイントとして構造タイプ(ラーメン構造か壁式構造か)を必ず確認してください。不動産会社に設計図面の閲覧を依頼し、耐力壁の位置を把握しておくことが大切です。

2. 管理規約を事前に入手する

マンションの場合、購入前に管理規約のリフォーム細則を入手し、希望するリノベーションが可能かどうか確認しましょう。管理規約は重要事項説明の際にも確認できます。

3. 実績のある施工会社を選ぶ

間取り変更リノベーションは高度な技術と経験が求められます。施工実績、特にマンションリノベーションの実績が豊富な会社を選びましょう。複数社から見積もりを取り、提案内容や対応力を比較することが重要です。

4. 優先順位を明確にする

すべての希望を叶えようとすると費用が膨らみがちです。「必ず実現したいこと」と「できればやりたいこと」の優先順位を明確にし、予算内で最大限の効果を得られるプランを組み立てましょう。

5. 工事期間中の生活を計画する

大規模なリノベーションでは2〜4か月の工期が一般的です。その間の仮住まいの手配や、家具・家電の一時保管先を事前に確保しておく必要があります。

まとめ:計画的なリノベーションで理想の住まいを実現

間取り変更リノベーションは、日本の中古物件を自分好みの住まいに変える有効な手段です。ラーメン構造のマンションであれば比較的自由な間取り変更が可能ですが、壁式構造の耐力壁、パイプスペース、管理規約などの制限もあります。

費用は工事内容によって10万円台から1,000万円超まで幅広く、資金計画をしっかり立てることが成功のカギです。外国人の場合は言語面のサポートも重要なポイントになるため、外国人対応の経験がある施工会社やリノベーション会社を選ぶことをおすすめします。

物件購入前から構造や管理規約を確認し、信頼できる施工会社とともに計画的にリノベーションを進めることで、日本での理想の住まいを実現できるでしょう。

ブイ レ クアン
ブイ レ クアン

ベトナム出身、来日16年以上。名古屋大学卒業後、日本企業・外資系企業で11年の実務経験。外国人の日本不動産購入情報を発信。

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