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住宅保険と保証制度

地震保険の仕組みと加入の必要性

ブイ レ クアンブイ レ クアン公開日:2026年3月2日
地震保険の仕組みと加入の必要性

日本で不動産を購入する外国人向けに、地震保険の仕組み・補償内容・保険料の決まり方・割引制度・加入方法を詳しく解説。2024年度の付帯率70.4%超えの背景と、加入が必要な理由を専門家視点でわかりやすく紹介します。

地震保険の仕組みと加入の必要性|外国人が日本で不動産を守るために知るべきこと

日本は世界有数の地震大国であり、マグニチュード6以上の地震の約20%が日本周辺で発生しています。外国人として日本で不動産を購入する際、地震リスクへの備えは最も重要な課題のひとつです。しかし、「地震保険は本当に必要なのか」「どのような仕組みになっているのか」と疑問を持つ方も多いでしょう。

本記事では、日本で不動産を購入する外国人に向けて、地震保険の仕組み、補償内容、保険料の決まり方、そして加入の必要性について詳しく解説します。2024年度の地震保険付帯率は70.4%に達し、初めて70%を超えました。多くの日本の住宅所有者が地震保険の重要性を認識しているのです。

地震保険とは?基本的な仕組みを理解する

地震保険は、地震・噴火またはこれらによる津波を原因とする火災・損壊・埋没・流失による被害を補償する、日本独自の保険制度です。1964年の新潟地震をきっかけに創設され、政府と損害保険会社が共同で運営する官民一体の制度となっています。

地震保険の最大の特徴

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地震保険は単独では加入できません。必ず火災保険とセットで加入する必要があります。これは、住宅保険と保証制度の基本として覚えておくべき重要なポイントです。

通常の火災保険では、地震が原因の火災は補償対象外となります。つまり、地震で発生した火事で家が燃えても、火災保険だけでは保険金を受け取れないのです。このため、地震保険への加入が強く推奨されています。

政府の再保険による安心

地震保険が他の民間保険と大きく異なる点は、政府が再保険を引き受けていることです。巨大地震が発生した場合でも保険金の支払いに支障がないよう、政府が支払責任の約87%を負担し、JER(日本地震再保険)が約10%、民間保険会社が約3%を担っています。

地震保険の補償内容と損害認定の仕組み

地震保険の補償対象は「建物」と「家財」の2つです。保険金額は火災保険金額の30%~50%の範囲内で設定でき、上限は建物が5,000万円、家財が1,000万円です。

損害認定の4段階

地震保険の保険金は、損害の程度に応じて以下の4段階で認定されます。実際の修理費用ではなく、損害の程度に応じた定額払いとなる点が特徴です。

損害区分支払割合建物の損害基準家財の損害基準
全損保険金額の100%主要構造部の損害が時価の50%以上、または焼失・流失した床面積が70%以上家財の損害額が時価の80%以上
大半損保険金額の60%主要構造部の損害が時価の40%以上50%未満、または焼失・流失した床面積が50%以上70%未満家財の損害額が時価の60%以上80%未満
小半損保険金額の30%主要構造部の損害が時価の20%以上40%未満、または焼失・流失した床面積が20%以上50%未満家財の損害額が時価の30%以上60%未満
一部損保険金額の5%主要構造部の損害が時価の3%以上20%未満、または全損・半損に至らない建物が床上浸水家財の損害額が時価の10%以上30%未満
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例えば、地震保険金額が1,000万円の建物が「大半損」と認定された場合、600万円の保険金が支払われます。

補償されないケース

以下の場合は、地震保険の補償対象外となります:

  • 地震発生から10日以上経過後に生じた損害
  • 紛失・盗難による損害
  • 門・塀・垣・エレベーター・給排水設備のみの損害
  • 地震による地盤液状化のみの損害(建物への損害が認められない場合)

地震保険料の決まり方と割引制度

地震保険料は全社共通の料率が適用されます。どの保険会社で加入しても同じ保険料なので、保険会社間での保険料の比較は不要です。

保険料を決める2つの要素

保険料は以下の2つの要素で決まります:

1. 所在地(都道府県) 地震の発生リスクは地域によって大きく異なるため、都道府県ごとに保険料率が設定されています。東京都や神奈川県など首都圏は保険料が高く、地震リスクの低い地域は安くなります。

2. 建物の構造 建物の構造は「イ構造」(耐火構造・準耐火構造など)と「ロ構造」(それ以外の木造など)の2区分に分類されます。マンション(鉄筋コンクリート造)は一般的にイ構造となり、木造の一戸建てはロ構造となるため、マンションの方が保険料は安くなります。

4つの割引制度

地震保険には、建物の耐震性能に応じた割引制度があります。重複適用はできませんので、最も割引率の高いものを選びましょう。

割引制度割引率適用条件
免震建築物割引50%住宅の品質確保の促進等に関する法律に基づく免震建築物であること
耐震等級割引10%~50%耐震等級1で10%、等級2で30%、等級3で50%
耐震診断割引10%耐震診断により国の基準に適合することが確認された建物
建築年割引10%1981年(昭和56年)6月1日以降に新築された建物

外国人が地震保険に加入する方法と条件

外国人でも、日本人と同じ条件で地震保険に加入できます。在留資格・ビザがあれば問題ありませんが、いくつかの準備が必要です。

加入に必要なもの

  • 有効な在留資格(観光ビザや短期滞在ビザでは原則加入不可)
  • 日本の銀行口座(保険料の引き落としに必要)
  • 日本国内の連絡先(電話番号・住所)
  • 火災保険の契約(地震保険は火災保険に付帯するため)

永住権を取得している方はもちろん、就労ビザや配偶者ビザなどの在留資格をお持ちの方も問題なく加入できます。

加入手続きの流れ

  1. 不動産会社・仲介業者を通じて火災保険を選ぶ
  2. 火災保険の契約時に地震保険の付帯を申し込む
  3. 必要書類(耐震等級証明書など)があれば割引の申請をする
  4. 保険料を支払い、契約が成立

不動産購入手続きの中で、物件の引き渡し前に火災保険・地震保険の加入手続きを行うのが一般的です。

地震保険は本当に必要?加入すべき理由

「地震保険の保険金は火災保険の30~50%しかカバーされないのに、本当に必要なのか」という声もあります。しかし、以下の理由から、特に外国人の不動産所有者にとって地震保険への加入は強く推奨されます。

加入すべき5つの理由

1. 日本の地震リスクの高さ 日本では毎年数千回の地震が観測されており、大規模な地震が発生するリスクは常に存在します。物件選びの段階でハザードマップを確認することも重要ですが、日本のどこに住んでいても地震リスクはゼロにはなりません。

2. 火災保険だけでは地震被害をカバーできない 通常の火災保険は、地震を原因とする火災・損壊・津波被害を補償しません。地震による被害をカバーするには、地震保険への加入が唯一の選択肢です。

3. 住宅ローン残債のリスク 住宅ローンを利用して物件を購入した場合、地震で建物が損壊しても住宅ローンの返済義務は残ります。地震保険に加入していれば、保険金をローン返済や生活再建に充てることができます。

4. 税制上のメリット 地震保険料控除により、所得税で最高5万円、住民税で最高2万5,000円の所得控除が受けられます。不動産にかかる税金の負担軽減にもつながります。

5. 母国に帰国した場合のリスク 外国人の場合、将来的に母国へ帰国する可能性もあります。日本に不動産を所有したまま帰国した場合、地震で被害を受けても迅速な対応が難しくなります。地震保険に加入しておくことで、万が一の際にも経済的な保護を受けられます。

地震保険料控除で節税する方法

地震保険に加入すると、支払った保険料に応じて所得税と住民税の控除を受けることができます。これは不動産投資をしている方にも適用されます。

控除額の計算

税金の種類年間保険料控除額
所得税50,000円以下保険料の全額
所得税50,000円超一律50,000円
住民税50,000円以下保険料の1/2
住民税50,000円超一律25,000円

確定申告または年末調整の際に、保険会社から届く「地震保険料控除証明書」を提出することで控除を受けられます。

地震保険加入時の注意点とよくある誤解

地震保険に加入する際には、いくつかの注意点があります。特に外国人の方が誤解しやすいポイントを解説します。

よくある誤解と正しい理解

誤解1:地震保険で建物を完全に再建できる → 地震保険の保険金額は火災保険の30~50%が上限です。建物の完全な再建費用をカバーするものではなく、あくまで被災後の生活再建を支援するための保険です。

誤解2:マンションなら地震に強いので不要マンションは耐震基準を満たしていますが、完全に被害を免れるわけではありません。共用部分の修繕費用や家財の損害は別途補償が必要です。

誤解3:古い建物は地震保険に入れない → 建築年や耐震性能による加入制限はありません。ただし、中古物件の場合、割引制度が適用されない可能性があります。1981年以前の建物は「建築年割引」が受けられません。

誤解4:地方なら地震リスクが低いので不要地方都市でも地震リスクはあります。2024年の能登半島地震のように、それまで大地震が少なかった地域でも大きな被害が発生することがあります。

契約時のチェックポイント

  • 保険金額が適切に設定されているか(火災保険金額の50%がおすすめ)
  • 割引制度が正しく適用されているか
  • 契約書類に記載された補償内容を確認する
  • 保険期間(最長5年)と自動更新の設定を確認する

まとめ:外国人の不動産所有者こそ地震保険に加入すべき

日本で不動産を購入する外国人にとって、地震保険は必須の備えといえます。2024年度の付帯率が70.4%に達していることからも、多くの住宅所有者が地震保険の重要性を認識していることがわかります。

地震保険のポイントをまとめると:

  • 火災保険とセットで加入する必要がある
  • 保険金額は火災保険の30~50%(建物上限5,000万円、家財上限1,000万円)
  • 損害は4段階(全損・大半損・小半損・一部損)で認定
  • 保険料は全社共通で、所在地と建物構造で決定
  • 割引制度を活用すれば最大50%の割引が可能
  • 地震保険料控除で節税効果もある
  • 外国人も在留資格があれば同条件で加入可能

地震大国・日本で安心して暮らすために、物件購入の手続きと合わせて、地震保険への加入を忘れずに検討してください。まずは不動産会社や保険代理店に相談し、あなたの物件に最適な補償プランを見つけましょう。

参考情報:

ブイ レ クアン
ブイ レ クアン

ベトナム出身、来日16年以上。名古屋大学卒業後、日本企業・外資系企業で11年の実務経験。外国人の日本不動産購入情報を発信。

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