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新築物件の購入

新築の住宅性能表示制度とは

ブイ レ クアンブイ レ クアン公開日:2026年3月2日
新築の住宅性能表示制度とは

日本の新築住宅における住宅性能表示制度を外国人向けにわかりやすく解説。10分野33項目の評価基準、耐震等級、省エネ基準、取得メリット(住宅ローン金利優遇・地震保険割引)、費用と申請の流れまで網羅的に紹介します。

新築の住宅性能表示制度とは?外国人が知るべき10分野の評価基準と活用法

日本で新築住宅を購入する際、その品質や性能をどのように見極めればよいのでしょうか。特に外国人の方にとって、日本独自の住宅評価システムを理解することは、安心して不動産を購入するための重要なステップです。

住宅性能表示制度は、2000年に施行された「住宅品質確保促進法(品確法)」に基づく制度で、国が定める共通のルールにより住宅の性能を客観的に評価・表示する仕組みです。2024年度には設計住宅性能評価書の交付割合が34.2%と過去最高を記録し、ますます多くの住宅で活用されています。

この記事では、新築住宅における住宅性能表示制度の概要、10分野33項目の評価基準、取得のメリット、費用、そして外国人が利用する際のポイントまで、わかりやすく解説します。

住宅性能表示制度の基本概要

住宅性能表示制度とは、住宅の性能を第三者機関が客観的に評価し、等級や数値で表示する仕組みです。この制度は任意制度であり、利用するかどうかは住宅の売主や購入者の判断に委ねられています。

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制度が生まれた背景

1990年代後半、日本では住宅の品質に関するトラブルが多発していました。欠陥住宅の問題が社会問題化し、消費者保護の観点から住宅の品質を客観的に評価する仕組みが求められるようになりました。こうした背景から2000年に品確法が施行され、住宅性能表示制度がスタートしました。

2つの評価段階

新築住宅の性能評価には、2つの段階があります。

設計住宅性能評価は、設計図面の段階で住宅の性能を評価するもので、図面ベースで各性能項目をチェックします。建設住宅性能評価は、実際の建設工程で4回以上の現場検査を行い、設計通りに施工されているかを確認するものです。

両方の評価を受けることで、設計段階から完成まで一貫した品質管理が保証されます。特に新築物件の購入を検討している外国人の方には、この2段階評価の仕組みを理解しておくことをお勧めします。

新築住宅の10分野の評価項目

新築住宅の住宅性能表示制度では、10分野33項目にわたって住宅の性能を評価します。うち4分野は必須で、残り6分野は任意で評価を申請できます。

分野主な評価内容必須/任意等級の目安
構造の安定(耐震性)地震・風・積雪に対する強さ必須等級1〜3
火災時の安全延焼防止・避難経路の確保任意等級1〜4
劣化の軽減木材の腐朽・鉄筋の錆び対策必須等級1〜3
維持管理・更新への配慮配管の点検・修繕のしやすさ必須等級1〜3
温熱環境・エネルギー消費量断熱性能・省エネ効率必須等級1〜7
空気環境ホルムアルデヒド等の化学物質対策任意等級1〜3
光・視環境窓の大きさ・採光任意数値表示
音環境遮音性能(主に集合住宅)任意等級1〜3
高齢者等への配慮バリアフリー対応任意等級1〜5
防犯対策開口部の侵入防止対策任意有無表示
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必須4分野の詳細

構造の安定(耐震等級)は、最も注目される分野です。等級1は建築基準法レベル(震度6強〜7程度で倒壊しない)、等級2はその1.25倍、等級3は1.5倍の耐震性を持つことを意味します。地震大国・日本で住宅を購入する外国人にとって、耐震性能の理解は非常に重要です。

劣化の軽減は、建物の構造材料が経年で劣化するのをどの程度抑えられるかを示します。等級3を取得している住宅は、75〜90年程度の耐久性を想定した対策が施されています。

維持管理・更新への配慮は、給排水管やガス管などの配管類の点検・清掃・補修のしやすさを評価します。等級が高いほど、長期的なメンテナンスコストを抑えられる可能性があります。

温熱環境・エネルギー消費量は、2025年4月から省エネ基準への適合が義務化されたことで、特に注目されている分野です。断熱等級は最高で等級7まであり、高い等級ほど冷暖房費を大幅に削減できます。

住宅性能評価を取得するメリット

住宅性能評価書を取得することには、複数の実質的なメリットがあります。

住宅ローンの金利優遇

住宅性能評価書を取得した住宅では、住宅ローンの金利優遇が受けられる場合があります。特に長期固定金利の住宅ローン「フラット35」では、一定の条件を満たす住宅で物件検査の一部省略が可能になり、手続きがスムーズになります。

外国人向け住宅ローンを申請する場合にも、住宅性能評価書があることで審査がスムーズに進むケースがあります。金融機関にとっても、客観的な性能データがある住宅は融資判断がしやすくなるためです。

地震保険料の割引

耐震等級に応じた地震保険の割引が適用されます。具体的な割引率は以下の通りです。

耐震等級地震保険割引率
等級110%
等級230%
等級350%

等級3の住宅では地震保険料が半額になるため、長期的に見れば大きな経済的メリットがあります。住宅保険と保証制度について詳しくはこちらをご覧ください。

資産価値の維持・向上

住宅性能評価書は、将来の売却時に住宅の品質を客観的に証明する書類として機能します。評価書がある住宅は、ない住宅に比べて買い手が付きやすく、不動産売却時に有利に働く可能性があります。

紛争解決の仕組み

建設住宅性能評価書が交付された住宅では、万が一トラブルが発生した場合、指定住宅紛争処理機関(各地の弁護士会)による紛争処理を1件あたり1万円で利用できます。これは外国人にとって特に心強い仕組みで、住宅購入後のトラブル対応のセーフティネットとなります。

住宅性能評価の費用と申請の流れ

費用の目安

住宅性能評価の費用は、住宅の規模や評価機関によって異なりますが、一般的な目安は以下の通りです。

評価の種類費用の目安
設計住宅性能評価のみ5万〜10万円程度
建設住宅性能評価のみ10万〜15万円程度
両方セット10万〜20万円程度

分譲住宅の場合は、売主(デベロッパーやハウスメーカー)が評価費用を負担して取得しているケースが多いため、購入者が追加費用を負担する必要がないことが一般的です。

申請から取得までの流れ

  1. 登録住宅性能評価機関を選定:国土交通大臣の登録を受けた評価機関に申請します
  2. 設計住宅性能評価の申請:設計図面一式を提出し、書面審査を受けます
  3. 設計住宅性能評価書の交付:審査合格後、設計段階の評価書が交付されます
  4. 建設住宅性能評価の申請:着工後、建設段階の評価を申請します
  5. 4回以上の現場検査:基礎工事・躯体工事・下地工事・竣工の各段階で検査
  6. 建設住宅性能評価書の交付:すべての検査に合格後、最終的な評価書が交付されます

注文住宅の場合、着工前から手続きを開始する必要があるため、土地購入と注文住宅を計画している段階で早めに検討することが重要です。

外国人が住宅性能表示制度を活用するポイント

外国人が日本で新築住宅を購入する際、住宅性能表示制度は以下の観点で特に役立ちます。

言語の壁を超える客観的指標

住宅の品質は、日本語での説明だけでは理解しにくい場合があります。しかし、住宅性能評価書の等級(数値)は、言語に関係なく住宅の性能を判断できる共通の指標です。不動産会社の選び方で迷った際にも、性能評価書の有無は信頼性の判断材料になります。

複数物件の比較がしやすい

異なるハウスメーカーや工務店が建てた住宅でも、同じ基準で性能が評価されているため、客観的な比較が可能です。物件探しの方法と選び方において、住宅性能評価書は強力な比較ツールとなります。

耐震性の確認

日本は地震が多い国であるため、住宅の耐震性能は最も重視すべきポイントの一つです。耐震等級を確認することで、地震に対する安全性を数値で把握できます。最低でも等級2以上を目安にすると安心です。

在留資格との関係

住宅性能表示制度の利用に、在留資格やビザの種類による制限はありません。外国人も日本人と同じ条件で住宅性能評価書の恩恵を受けることができます。永住権の有無にかかわらず、地震保険の割引なども同様に適用されます。

住宅性能表示制度の注意点

住宅性能表示制度には多くのメリットがありますが、注意すべきポイントもあります。

等級が高い=最良とは限らない

すべての分野で最高等級を求めると、建設コストが大幅に上がる場合があります。例えば、遮音性能の最高等級を目指すと壁の厚さや構造が変わり、設計の自由度が制限される可能性があります。自分のライフスタイルや優先事項に合わせて、必要な分野に絞って高い等級を求めるのが現実的です。

任意制度である点

住宅性能表示制度は任意制度のため、評価を受けていない住宅が品質の低い住宅というわけではありません。ただし、評価書がないと客観的な品質証明ができないため、特に中古物件の売却時に不利になる可能性があります。

デザインや間取りの制約

高い耐震等級や省エネ等級を確保するため、窓の大きさや間取りに制約が生じるケースがあります。性能とデザインのバランスを考慮した住宅選びが重要です。

評価書の有効性

設計住宅性能評価書だけでは不十分な場合があります。建設住宅性能評価書まで取得して初めて、実際の施工品質が確認されたことになります。分譲住宅を購入する際は、両方の評価書が交付されているか確認しましょう。

2025年の省エネ基準義務化との関係

2025年4月から、すべての新築住宅に対して省エネ基準への適合が義務化されました。これにより、住宅性能表示制度の温熱環境・エネルギー消費量分野がさらに重要性を増しています。

従来は任意であった省エネ基準への適合が法的義務となったことで、今後建てられる新築住宅はすべて一定以上の断熱性能を備えることになります。住宅性能評価の省エネ等級でいえば、等級4以上が標準となり、より高い等級(等級5〜7)を目指すZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)も増加傾向にあります。

資金計画と頭金の準備を立てる際には、省エネ性能の高い住宅は初期費用が高くても、長期的な光熱費削減により総コストが抑えられる点を考慮に入れましょう。

まとめ:住宅性能表示制度を賢く活用しよう

新築住宅の住宅性能表示制度は、外国人を含むすべての住宅購入者にとって、住宅の品質を客観的に判断するための強力なツールです。

制度活用のポイントまとめ:

  • 耐震等級2以上の住宅を選ぶことで、地震への安全性と保険料の割引を確保
  • 設計・建設の両方の住宅性能評価書があるか確認
  • 省エネ等級は2025年の義務化基準(等級4)以上を目安に
  • 住宅ローンの金利優遇や保険料の割引を最大限活用
  • 将来の売却を見据えて資産価値の保全にも有効

日本で不動産を購入する完全ガイドも合わせてご覧いただき、住宅性能表示制度をしっかり理解した上で、安心できるマイホーム選びに活かしてください。

ブイ レ クアン
ブイ レ クアン

ベトナム出身、来日16年以上。名古屋大学卒業後、日本企業・外資系企業で11年の実務経験。外国人の日本不動産購入情報を発信。

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